許可までどのくらいの期間がかかる?【特殊車両通行許可】

許可までどのくらいの期間がかかる?【特殊車両通行許可】

東京都武蔵村山市の特車申請屋さん(運営:紺野行政書士事務所)です。

トレーラーなどの特殊車両が公道を通行するためには、特殊車両通行許可が必要です。
この許可がおりるまでの期間はお客様からもよく訊かれますので、事業者様にとって関心のあるテーマだと思います。

この記事では、特殊車両通行許可がおりるまでどのくらいの期間がかかるかを専門の行政書士がわかりやすく解説します。

特殊車両とは

特殊車両とは、一般の道路を通行するために特別な許可が必要な大型や重量の車両を指します。

特殊車両を通行させるときは、道路管理者の許可を受けるように、道路法で定められており、この許可のことを特殊車両通行許可といいます。
特殊車両は原則、道路を走ることは禁止されているため、それを例外的に解除するための許可となります。

この申請には、多くの書類や手続きが必要ですが、企業が特殊車両を安全かつ法的に運行するためには、この許可は欠かせません。


特殊車両通行許可について詳しい解説はこちら▼
全体像がわかる!特殊車両通行許可の申請から許可までの流れをわかりやすく解説


審査とは

申請書に不備がなく受理されますと、国道事務所でさらに不備がないかをチェックします。

ここで、申請書に不備や要修正箇所がありますと、国道事務所から電話が来て差し戻しとなります。
その場合、該当箇所を修正の上、再度申請します。

申請書に形式上の不備がなければ審査開始です。

申請した車両が申請した経路を通行する上で、問題がないかチェックする過程では、道路情報便覧という全国の道路情報データベースを利用して効率的に審査を進めます。
ちなみに、この道路情報便覧に全ての道路が収録されているわけではないため、収録されていない道路は、その道路を管理している自治体などに個別に協議をかけて判断を委ねています。


収録道路と未収録道路について詳しい解説はこちら▼
収録道路と未収録道路とは?全国道路情報のデータベース【特殊車両通行許可】

許可までどのくらいの期間がかかる?

申請されてから審査が終了するまでを標準処理期間と呼び、以下の通りです。

・新規申請および変更申請の場合は、3週間
・更新申請の場合は、2週間

注意点として、この標準処理期間は、申請経路が収録道路(行政庁で道路情報を保有済)で完結している場合の審査期間です。
未収録道路が含まれている場合はこの限りではありませんし、実際には、未収録道路が含まれていることが多いため、目安と考えるのがよいでしょう。

実際のところ、どのくらいの期間がかかるかといいますと、1~2ヶ月間または約1週間です。
そして、審査期間が1~2ヶ月間か約1週間かは、主に、申請経路に未収録道路が含まれるかどうかで決まります。
未収録道路が含まれていない申請経路の方が審査期間は短くなります。

※未収録道路とは
審査するための道路情報がない道路のことです。

道路情報便覧といって、行政庁は全国の道路の構造や交通条件などが記載されたデータベースを保有しており、申請書を受付けた道路管理者は、その特殊車両が通行しても問題ないかをこの道路情報便覧を参照することで、審査を効率的に行うことができます。
この道路情報便覧にまだ収録されていない道路を未収録道路と呼びます。

実は、道路情報便覧には全国のすべての道路が収録されているわけではありません。
こういった収録されていない未収録道路は、道路管理者による個別の審査が必要となりますので、その分、審査期間が長引く傾向があります。

申請者側からすれば、申請した経路に、未収録道路があるかどうかは審査期間に大きく影響するため、許可までどれくらい期間がかかるかを予想する上では重要です。

審査に1~2ヶ月間の理由

申請経路に未収録道路があり、各道路管理者で個別に審査するため、1~2ヶ月間かかります。

通常、申請書を国道事務所の提出して申請経路に未収録道路があった場合、その未収録道路に関する道路情報を持たないため審査ができません。
したがって、その未収録道路を管理する道路管理者へ個別に協議をかけます。

申請経路内に「未収録道路(市道◯号線)」がありましたら、申請書を受付けた国道事務所は○市に対して、「この車両がこの道路を通るけど、許可か不許可か回答してね」という協議をかけるのです。

未収録道路を管理する道路管理者は、通行しても問題ないか、許可するならどのような条件をつけるかを厳密に審査して回答します。

未収録道路の道路管理者は複数になることもありますから、各道路管理者の回答が国道事務所に集約されると、国道事務所の方で取りまとめて、許可か不許可を決めて審査終了です。

未収録道路がありますと各道路管理者で個別に審査するため、時間がかかるのです。

審査に約1週間の理由

申請経路が収録道路で完結しており個別協議を要しないため、約1週間で審査終了となります。

申請経路に上記でお伝えした未収録道路がない、つまり、収録道路で完結している場合には、審査するための道路情報が揃っているため、国道事務所内で審査を完了させます。

役所の混雑状況等、時期的な影響もあり、長くて3週間のときもありますが、経験上、だいたいは約1週間で審査終了します。
弊所では、最短で申請から3日目で許可取得しています。

申請者としてはこちらのパターンを望みたいところではあると思いますが、出発地や目的地付近で未収録道路を通るケースが多く、申請全体の中でも未収録道路を含む申請の方が多いです。

記事全体のまとめ

この記事では、特殊車両通行許可がおりるまでどのくらいの期間がかかるかを解説しました。

結論は

・許可がおりるまでどのくらいの期間がかかる?
1~2ヶ月間、または、約1週間です。
申請経路が収録道路(行政庁で道路情報保有済)で完結している場合は審査期間が短くなります。

実際のところ、現場が決まってから特殊車両通行許可申請をしては間に合わないケースは少なくありません。
とはいえ、無許可で通行しては違反となってしまいますから、難しいところです。

詳しい解説はこちら▼
間に合わない?最短3日で許可取得?特殊車両通行許可の審査期間が短縮できるケース

特殊車両通行許可申請は事業者が安全かつ法令を守って運行するために必要な手続きですが、非常に複雑で手間がかかります。

道路法、車両制限令、道路交通法などの法令知識が必要な上、実務処理や役所対応のノウハウも求められます。
さらに、法令や制度は常に変わるため、その都度対応が必要です。

行政書士に特殊車両通行許可申請を任せることで、通行許可の取得後も専門的な視点から相談に乗ることができます。
申請が間に合わないなら間に合わないなりにどうするのがよいかアドバイスできることもあるかもしれません。

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