行政書士に依頼する場合の報酬額の相場は?【特殊車両通行許可申請】

行政書士に依頼する場合の報酬額の相場は?【特殊車両通行許可申請】

東京都武蔵村山市の特車申請屋さん(運営:紺野行政書士事務所)です。

特殊車両通行許可の申請は、企業が特殊車両を安全かつ効率的に運行するために必要な手続きです。
しかし、手続きが煩雑で時間がかかるだけでなく、不備があれば再申請が必要となるため、専門的な知識や経験が必要です。

そこで、多くの事業者様は行政書士に代理申請を依頼しますが、その際に気になるのは報酬額の相場だと思います。
できるだけ安く済ませたいという事業者様がほとんどだと思いますが、他方で、「安さばかりを追求すると、質の低いサービスを受けてしまうのではないか」という心配もあるのではないでしょうか。

この記事では、特殊車両通行許可申請を行政書士に依頼した場合に支払う報酬額の相場や、適正な相場で安心して行政書士に依頼する方法について、特殊車両通行許可専門の行政書士が経験に基づいてわかりやすく解説します。

この記事を読むと、適正な相場で安心して依頼できる行政書士事務所選びができるようになります。

特殊車両とは?

特殊車両とは、一般の道路を通行するために特別な許可が必要な大型や重量の車両を指します。

特殊車両を通行させるときは、道路管理者の許可を受けるように、道路法で定められており、この許可のことを特殊車両通行許可といいます。
特殊車両は原則、道路を走ることは禁止されているため、それを例外的に解除するための許可となります。

この申請には、多くの書類や手続きが必要ですが、企業が特殊車両を安全かつ法的に運行するためには、この許可は欠かせません。


特殊車両通行許可について詳しい解説はこちら▼
全体像がわかる!特殊車両通行許可の申請から許可までの流れをわかりやすく解説

特殊車両通行許可申請を行政書士に依頼した場合の報酬額の相場

報酬額はピンキリ

結論から言えば、ピンキリです。
◯◯円です!とズバリ言いたいところですが、本当にその通りなのです。

おそらく背景として、
特殊車両通行許可専門として合理的な価格設定をしている行政書士事務所がある他方、
建設業や産廃、相続関係、依頼が来たらなんでもやりますというスタンスの行政書士事務所もあるためです。

つまり、後者の事務所の場合、慣れない申請を行うこともあるということです。
いくら申請のプロとはいえ、時間も労力もそれなりにかかりますので、相場に合わせた価格設定をしては潰れてしまいます。
申請にかける時間で積み上げるような見積りをすれば、相場より価格は高くなるでしょう。

私は過去、あるお客様から相談をいただきました。
「地元の知り合いの行政書士にお願いしているが価格が高く、今後の申請も考えると悩む」とのことでした。
いくらで申請を任せているのか金額を聞いたところ、弊所の10倍近い金額でした。

相場よりはかなり高いと感じましたが、その行政書士としては、その価格が労力に見合う適正価格だったのかもしれません。

企業が適正に特殊車両を通行させるためには重要な申請ですから、価格よりも信頼する行政書士に頼みたいという事業者様もいらっしゃると思います。
しかし、相場を知らずにいると、不本意に相場からかけ離れた金額を支払うことになりかねません。

価格とサービスを求めるならば、専門特化した行政書士事務所を選ぶことが賢明でしょう。

日本行政書士会連合会のアンケートによる報酬額の平均は?

日本行政書士会連合会という組織が5年に1度、全国の行政書士事務所に向けて実施するアンケートがありますので、参考に紹介します。
特殊車両通行許可申請の報酬額の相場は以下の通りです。

令和2年度報酬額統計調査の結果
・平均  37,104円
・最頻値 30,000円

報酬額統計

このアンケートによれば3万円くらいが最も多い価格帯のようです。
ただ、上記で説明したように、行政書士事務所の価格設定は、ピンキリで地域差もありますので、あくまで目安と捉える認識でよいでしょう。

実際の報酬額の相場を教えます

誤解を恐れず言えば、特殊車両通行許可専門で行う行政書士事務所の場合、
車両1台で往復1ルートの内容で、13,000~20,000円くらいの価格帯が多いと思います。

補足しますと、行政書士事務所によって価格設定にはバリエーションがあり、注意です。
例えば、

・A社 15,000円
未収録道路調査費用は1箇所あたり3000円加算

・B社 20,000円
未収録調査費用は無料

以上を比較すると、一見、A社が安いですが、目的地現場が山奥であったりで、未収録道路の数が増えるとA社が高くなりますので、やはりズバリとは言いにくいところがあります

適正な相場で安心して行政書士に依頼する方法

インターネットで検索して、いくつか行政書士事務所のHPを見ながら、どこを選ぶか検討する際に、注意したいポイントを教えます。

見積もり依頼は必須

行政書士に依頼した場合の報酬額は基本的に車両の数と経路の数で決まるところが多いですが、他の追加オプションが加算されたりして最終的には料金が決まります。
依頼してから、意味不明なオプションが追加されて、思っていたよりも高くなったりしないように、依頼前にぜひ、その行政書士事務所に問い合わせしてください。

お客様がホームページの料金表を見て、連結車の場合~?軌跡図取寄費用は~?未収録調査費用は1箇所あたり~◯◯円?などの記載を確認しても、実際に自分が頼んだら最終的な請求書にはいくらの金額がのるのか完璧にイメージできなくても当然です。

依頼する前に見積もりを頼んでも嫌がる行政書士はいませんので、実際のところ総額いくらになるの?というところを確認しましょう。
きちんと説明してくれるはずです。
その後に安心して依頼を決めることをおすすめします。

ホームページの料金表のみで選んではいけない理由

料金表を見た上で、大体の金額を予想したとしても、思いのほか総額が高くなってしまう要素をひとつを挙げますと、未収録道路調査費用があります。

・未収録道路調査とは
全国の道路は行政庁でデータベース化され、通行条件等の情報が収録されています。その中で収録されていない道路を未収録道路と呼びます。
申請した経路に未収録道路が含まれている場合、申請者側でその道路の道路管理者を特定し、道路名称を調べ、申請書に記載しなければなりません。
こうした調査を行う工程が未収録道路調査と呼ばれます。

詳しくはこちら▼
道路情報便覧とは?特殊車両通行許可に必要なデータベースについて収録道路や未収録道路も解説!

実は、この未収録道路調査の工程分を基本料金に含めている行政書士事務所がある他方で、追加オプションにして加算していく行政書士事務所があります。
追加オプションとしている場合、たいてい「◯◯円/箇所」としていますので、箇所数が増えると総額が増えていきます。

見積もりの段階で箇所数がわかればよいのですが、この未収録道路の箇所数は、実際に経路を検討していく段階にならないと厳密には判断できません。

多くの申請経路は○市道、△県道、□町道と様々な道路管理者をまたがります。
仮に、この未収録調査費用が「3,000円/1箇所あたり」ですと、3箇所あれば、+9,000円になります。
料金表のみで、この+9,000円は予測できません。

弊所では、未収録道路調査は基本料金に含めてしまっていますが、それは、ご依頼を承り着手してからでないと未収録道路の箇所数が判断しづらいため、明朗な見積もりが難しく、料金設定として優しくないと考えるためです。
お手間でも、一度、問い合わせして総額の確認を行うことをおすすめします。

記事全体のまとめ

この記事では、特殊車両通行許可申請を行政書士に依頼した場合に支払う報酬額の相場や、適正な相場で安心して行政書士に依頼する方法について解説しました。

結論は、

特殊車両通行許可申請を行政書士に依頼した場合に支払う報酬額の相場

実はピンキリでズバリお伝えは難しいが、特殊車両通行許可専門に行う行政書士事務所では、車両1台で往復1ルートの内容で、12,000~20,000円くらいのゾーンが多い。

適正な相場で安心して行政書士に依頼する方法

行政書士事務所によっては、追加オプションとして加算される申請工程があったりします。

ホームページの料金表のみで判断せずに、まずは見積もり依頼をしましょう。
依頼する前に総額の確認を行うことが、安心して行政書士に依頼するために大切です。

特殊車両通行許可の申請は、企業が特殊車両を安全かつ効率的に運行するために必要な手続きですが、非常に複雑で手間のかかる手続きです。

道路法、車両制限令、道路交通法などの法令知識が必要な上、実務処理や役所対応のノウハウも求められます。
さらに、法令や制度は常に変わるため、その都度対応が必要です。

行政書士に特殊車両通行許可申請を任せることで、通行許可の取得後も専門的な視点から相談に乗ることができます。
特殊車両通行許可に関することでお困りの方は、専門家である行政書士にご相談ください。

contact_txt