間に合わない?最短3日で許可取得?特殊車両通行許可の審査期間が短縮できるケース

間に合わない?最短3日で許可取得?特殊車両通行許可の審査期間が短縮できるケース

東京都武蔵村山市の特車申請屋さん(運営:紺野行政書士事務所)です。

特殊車両通行許可は申請から許可まで通常1~2ヶ月かかります。
馴染みがない事業者様は、そんなにかかるの?!と驚くかもしれませんが、それが実際のところです。

すぐに許可が取れないならと申請を諦める事業者様も少なくないでしょう。
しかし、無許可で通行していることが取締りで発覚すると罰則がありますし、事業者が安全に法令を守って運行するためには必要な許可です。

この記事では、特殊車両通行許可の審査期間について、また、最短で許可取得できるケースを専門の行政書士がわかりやすく解説します。

特殊車両とは

特殊車両とは、一般の道路を通行するために特別な許可が必要な大型や重量の車両を指します。

特殊車両を通行させるときは、道路管理者の許可を受けるように、道路法で定められており、この許可のことを特殊車両通行許可といいます。
特殊車両は原則、道路を走ることは禁止されているため、それを例外的に解除するための許可となります。

この申請には、多くの書類や手続きが必要ですが、企業が特殊車両を安全かつ法的に運行するためには、この許可は欠かせません。


特殊車両通行許可について詳しい解説はこちら▼
全体像がわかる!特殊車両通行許可の申請から許可までの流れをわかりやすく解説

許可までのどのくらいの期間がかかる?

申請されてから審査が終了するまでを標準処理期間と呼び、以下の通りです。

・新規申請および変更申請の場合は、3週間
・更新申請の場合は、2週間

注意点として、この標準処理期間は、申請経路が収録道路(行政庁で道路情報を保有済)で完結している場合の審査期間です。
未収録道路が含まれている場合はこの限りではありませんし、実際には、未収録道路が含まれていることが多いため、目安と考えるのがよいでしょう。


経験上、主に1~2ヶ月間または約1週間です。

どちらの審査期間のパターンに該当するかは、主に、申請経路に未収録道路が含まれるかどうかで決まります。
未収録道路が含まれていない申請経路の方が審査期間は短くなります。

※未収録道路とは
審査するための道路情報がない道路のことです。

道路情報便覧といって、行政庁は全国の道路の構造や交通条件などが記載されたデータベースを保有しており、申請書を受付けた道路管理者は、その特殊車両が通行しても問題ないかをこの道路情報便覧を参照することで、審査を効率的に行うことができます。
この道路情報便覧にまだ収録されていない道路を未収録道路と呼びます。

実は、道路情報便覧には全国のすべての道路が収録されているわけではありません。
こういった収録されていない未収録道路は、道路管理者による個別の審査が必要となりますので、その分、審査期間が長引く傾向があります。

申請者側からすれば、申請した経路に、未収録道路があるかどうかは審査期間に大きく影響するため、許可までどれくらい期間がかかるかを予想する上では重要です。

審査に1~2ヶ月間の理由

申請経路に未収録道路がありますと各道路管理者で個別に審査するためです。

通常、申請書を国道事務所の提出して申請経路に未収録道路があった場合、その未収録道路に関する道路情報を持たないため審査ができません。
したがって、その未収録道路を管理する道路管理者へ個別に協議をかけます。

申請経路内に「未収録道路(市道◯号線)」がありましたら、申請書を受付けた国道事務所は○市に対して、「この車両がこの道路を通るけど、許可か不許可か回答してね」という協議をかけるのです。
未収録道路を管理する道路管理者は、通行しても問題ないか、許可するならどのような条件をつけるかを厳密に審査して回答します。
未収録道路の道路管理者は複数になることもありますから、各道路管理者の回答が国道事務所に集約されると、国道事務所の方で取りまとめて、許可か不許可を決めて審査終了です。

未収録道路がありますと各道路管理者で個別に審査するため、時間がかかるのです。

審査に約1週間の理由

申請経路が収録道路で完結しており個別協議を要しないためです。

申請経路に上記でお伝えした未収録道路がない、つまり、収録道路で完結している場合には、審査するための道路情報が揃っているため、国道事務所内で審査を完了させます。

役所の混雑状況等、時期的な影響もあり、長くて3週間のときもありますが、経験上、だいたいは約1週間で審査終了します。
弊所では、最短で申請から3日目で許可取得しています。

申請者としてはこちらのパターンを望みたいところではあると思いますが、出発地や目的地付近で未収録道路を通るケースが多く、申請全体の中でも未収録道路を含む申請の方が多いです。

最短で許可取得するケースとは

これは申請経路が収録道路で完結するときに限られます。

申請前に経路に未収録道路が含まれるかどうか気になるところだと思いますが、申請書作成前では正確な判断なできません。
しかし、ある程度の予想はできます。

未収録道路は傾向として市町村道であることが多いため、出発地と目的地付近で、そういった道路を通るかチェックします。
国道など太い道路のみで完結するなら、審査期間は約1週間で終了する可能性が高まります。

審査期間を短縮するためには、未収録道路が含まれるかどうかがポイントになりますので、実際に申請書作成の際は未収録道路をなるべく避けます。
お客様から経路の指定をいただいていた場合には、より審査が早く終了し条件も厳しくならないように経路の変更を提案しています。

ちなみに、審査期間がどれくらいかかるかは、申請書が完成した段階であれば、ある程度わかりますので審査がいつ終わるのかむやみに心配することはないでしょう。


市町村道の収録率について書いた記事はこちら▼
道路情報便覧:特殊車両通行に必要なデータベースとは?(見出し:道路情報便覧に収録されていない道路もある)

記事全体のまとめ

この記事では、特殊車両通行許可の審査期間について、また、最短で許可取得できるケースを解説しました。

結論は

・特殊車両通行許可の審査期間とは
主に、1~2ヶ月または約1週間です。
申請経路に未収録道路が含まれていない場合は審査期間が短くなります。

・最短で許可取得できるケース
これは申請経路が収録道路で完結するときに限られます。
国道など太い道路のみで完結するなら、審査期間は約1週間で終了する可能性が高まります。

実際のところ、現場が決まってから特殊車両通行許可申請をしては間に合わないケースは少なくありません。
とはいえ、無許可で通行しては違反となってしまいますから、難しいところです。
審査に時間がかかる点については制度として改善の余地があると言わざるを得ないでしょう。

特殊車両通行許可申請は事業者が安全かつ法令を守って運行するために必要な手続きですが、非常に複雑で手間がかかります。

道路法、車両制限令、道路交通法などの法令知識が必要な上、実務処理や役所対応のノウハウも求められます。
さらに、法令や制度は常に変わるため、その都度対応が必要です。

行政書士に特殊車両通行許可申請を任せることで、通行許可の取得後も専門的な視点から相談に乗ることができます。
申請が間に合わないなら間に合わないなりにどうするのがよいかアドバイスできることもあるかもしれません。

特殊車両通行許可に関することでお困りの方は、専門家である行政書士にご相談ください。

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